反転するイメージ

なるほどと思ったので引用します。

四世紀の司教聖マルタンは、裸のキリストに自分の法衣(カペラ)を半分切って与えたことから崇拝され、礼拝堂のことをカペラ(シャペル=仏、チャペル=英)と呼ぶようになった。礼拝堂で歌う伴奏のない歌がアカペラである。

ポルトガルでは、この法衣のことをカッパ(caha)と呼んでいた。それが日本に伝わり、南蛮ブームが起きた十六世紀半ば、大名がポルトガル人の外套をまねて作ったのが<合羽>である。幕末にフランス陸軍用語のマントも登場して合羽は雨具に限定されるようになった。

こうして合羽は、流れ流れて、聖から俗にイメージが反転してしまった。

眼の冒険 デザインの道具箱

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